About myself. #001

大学では一応、物理学をやってた超理系出身なんだが、 量子力学の講義を受けた時にかなりつまずいた。 概念や計算、その辺りは問題無かった。計算から導かれる結果と観測的事実は確かに一致するし、予測される結果は理解できた。 しかし、解釈問題についての説明はどの先生も自分が納得できる回答をして頂けなかったのだ。 量子力学における解釈問題は、量子力学の成立の過程から常に議論の対象であった。アインシュタインの残した「神はサイコロを振らない」と言う言葉があるが、アインシュタインは彼の発表した相対論以上にこの量子力学の解釈問題の探究に生涯をかけて取り組んだ。 量子力学が登場する以前のアリストテレス、ニュートンの行ってきた物理学は決定論的であり唯物主観を基礎に持つ考え方で自然界の法則の探究の形而上学化を行ってきたと言える 。しかし、量子力学の発見によりもたらされた結果は、これまでの形而上学を目指す物理学の方向性を変えてしまった という見方もできる。自然界の法則はもはや人間の知覚出来る範囲ではその全貌を明らかにすることは出来ず、抽象的解釈問題を伴う未地の領域へと歩み出したのだ。 アインシュタインは先に上げた言葉から考えるとこの物理学の進歩に関して悲観的であったのだろうか?確かにユダヤ系のアインシュタインには唯一神、唯物論を信仰するユダヤ教からの思考的影響があったと思われるが、決してそれだけではない。彼の思考からは真実の探究に対する誰よりも大きな熱意を感じ取れるのだ。 また、アインシュタインの提唱したパラドックスは今日解決されていない。 結果的に、現在の物理学はアインシュタインが生涯をかけて取り組んだ問題を内包したまま、それは自身の中にいつ爆発するとも分からない爆弾を仕掛けてあるように、根本的解決のなされぬまま歩みつづけている。現在、量子力学が示す結果と、様々な技術的進化によりもたらされた観測結果はさまざまな理論を出現させている。佐藤勝彦さんのビッグバン宇宙理論、ホーキンスの超ヒモ理論、5次元ブレーン理論など数多くの理論がそうだ。しかし、これら理論を証明する実験は難しくどの理論も採用される可能性は低いと考えられ、すでに10年以上理論物理学は暗礁に乗り上げていると言っても過言ではないのではないだろうか。 アインシュタインはこの様に物理学が行き詰ってしまうのではないだろうか と感じ、量子力学に最後まで異義を唱え続けたのではないかと僕は考えている。それは科学的、論理的に証明することは難しい。それは科学的にこうだからと証明する事ではなく、むしろ、そもそも人間とは何なのか、自然界の法則を理解するとはどう言う事なのかと言うことを考える必要があると言うことを指し示しているのではないだろうか?