"職人は自分のあつかう材料のひとつひとつを、細心の注意をこめてとりあつかおうとした。職人が細心の注意をマテリアルに注ぐとき、つくり手の内部にも最善の精神状態がつくりだされ、素材の変形も、もっとも良い条件でおこなわれる。職人の伝統ではその細心と配慮が、素材への愛として語られてきた。技術が人間と自然を結びあわせ、観察者と対象の壁を崩壊させるとき、技術は自然への愛の可能性となって、輝きをおびる。"

森のバロック (中沢新一)